各種病気の対策

人工鼻

鼻から吸い込まれた空気は鼻道を通る間に、適度な温度と湿度を与え、体の負担にならないように調整するように働いています。ところが、気管切開や気管挿管などを行った場合は、鼻からの通気がなくなり、のどの開口部からの呼吸となります。


人工鼻は、のどの開口部からの呼吸に対し、加湿・加温を(実際の)鼻に代わって行う装置です。大気の空気を直接、肺に送ると肺炎などの病気にかかりやすくなります。人工鼻には、大きく2種類あります。加湿・加温だけを行うものと、ゴミや細菌を防ぐ機能(フィルター)が付いているものとがあります。人工鼻の加湿・加温器は、電気も水も使わずに機能します。では、何故そのようなことができるのか、その仕組みは次の通りです。


人工鼻の特徴としては、熱を外に逃さないような作りになっています。人間が呼吸する際、吐いたり、吸ったりします。息を吐く際は熱や水分を放出しますが、人工鼻を通過することによって、この熱や水分を内部に蓄積します。そして、息を吸う際は入ってきた空気が人工鼻を通過することによって、熱や水分を取り込んで気道に入っていきます。


このように、吐く息の熱や水分を再利用して、加湿・加温の働きを行っているのです。但し、人工鼻の内部には水分が貯まりやすく、定期的な水抜きが必要です。フィルターなしの人工鼻は、抵抗が少なく、比較的楽に呼吸できます。その反面、フィルターありの人工鼻はゴミや細菌の侵入を防止できるメリットがありますが、フィルターの目が細かいので呼吸の際の抵抗が大きい傾向があります。


人工鼻は1、2日に1回交換しなければならず、高価(1個600から800円程度)ですので、1か月装着すればかなりの出費です。人工鼻の必要性に迫られた場合、不明点は病院側に確認した方がよいでしょう。